⑤のつづき
小値賀島から本土に戻り、翌日は佐世保から平戸、そして西海市へとドライブ。道中に片島公園の魚雷発射試験場跡や針尾送信所、七ツ釜鍾乳洞に立ち寄りました。今日は池島へと向かいます。
①②③④⑤はこちらから
長崎旅行記① 五島列島へ
長崎旅行記② 小値賀島
長崎旅行記③ 小値賀島-五両ダキ・長崎鼻
長崎旅行記④ 野崎島
長崎旅行記⑤ 佐世保→平戸→西海
池島へ
ホテルからスタート。前日、到着した時にはすでに暗く、あまりわからなかったのですが、全室オーシャンビューなので部屋から海が見えます。
気持ちのいい朝です。
本日は池島へと向かいます。
池島とは。
長崎本土から西に約7キロほどのところに浮かぶ島。
周囲は4キロほど。
かつては池島炭鉱として栄えた島です。
1959年から石炭の採掘がはじまり2001年に閉山。
2021年7月末時点での人口107人(「2022.7.31時点_町別人口・世帯数(長崎市)」)最盛期には7000人以上の人が住んでいたとか。
最盛期のころの建物がそのまま残っており、廃墟と化しているものも多くある。
廃墟といえば同じ長崎の軍艦島が有名です。
軍艦島も池島と同じく炭鉱によって栄えた島で、1974年に閉山。
池島より20以上前に閉山しています。
軍艦島に行ったことがある人はわかるかと思いますが、見学通路が決まっていて、島の端の方から建物を眺めるような形になります。
それでも迫力十分ですが。
まあそれだけ老朽化が進んでいて危険なんでしょう。
対して池島は今も人が住んでいますし、島全体を歩いて散策することができます。
軍艦島より自由度が高いですね。
ちょっと廃墟に興味がある自分とは非常に面白そうな島だなと。
今回の旅行でどうしてもここを外したくなかったので、五島列島が小値賀島のみになってしまいました。
それくらい池島を楽しみにしています。
池島上陸
さて早速向かっていきます。
池島への船が出ている瀬戸港には駐車場がないため歩いて向かいます。
前日泊ったホテルのフロントの方に許可をいただき、昼過ぎまでそのまま車を止めさせていただきます。
ありがたい。
港にて片道450円のチケットを買い、9:10発の船に乗り、いざ池島へ。
車も乗せることができる中型の船は30分弱で目的地に到着。
いきなり現れる朽ちた機械にこころが踊ります。
さあさあ島歩きスタート。
反時計回りに進んでいきます。
まだきれいな団地?アパート?の間を通り、島の奥へと向かっていきます。
この団地に多くの割合の人が住んでるんじゃないでしょうかね。
そこを抜けていくと大きな建物。
Googleマップで確認すると火力発電所として使われていたもののようです。
錆びついていて、かろうじて原型をとどめているようでした。
島の中心部
その後はしばらく坂を登っていき、船を降りてから30分弱ほどで、島の中心と思わしき場所にたどり着きました。
こちらには郵便局や消防署、島唯一の宿泊施設である池島中央会館などがあります。
散策。
島のメインストリートだったであろう通り。
憩いの場だったと思われるレストラン喫茶、娯楽を届けていたであろうボウリング場。
どれも時の経過を感じさせます。
通りには人影がありませんが、当時は大変賑わっていたと想像します。
歩いていると建物の中から人の声が。
改めてこの島が完全な廃墟ではないことを実感します。
炭鉱という産業がなくなったこと、そしてその分住む人が減った。この部分のみ廃れているのです。
旧炭鉱住宅街
さらに奥へと歩みを進めます。
すると小さな島あるある、島唯一の信号機。
こどもの学習用のため、1つ設置されていることが多いです。
池島小中学校。
HPによると2022年6月現在の在校生は小学生1人の中学生1人の計3人。
校庭が広くてうらやましい。
そしてそして島の最深部、8階建ての旧炭鉱住宅街。
廃れた8階建ての巨大な建物がいくつも連なっている様は大迫力。
ここに当時は相当数の人が住んでいたと思うと、今のこの閑散とした物寂しい姿とは大きくかけ離れています。
ここからはこの辺りをふらふらとめぐってみます。
ほどの住宅街よりは少し小さな団地群。
ツタが生い茂り、窓ガラスが割れているような建物もあれば、きれいな現在も人が住んでいると思わしき建物、部屋もあります。
そう。この島はまだ現役です。
しかし、なんで人が住まなくなると廃れていくのか不思議なんですよね。
ツタはまだそれを切ることがないからだと理解できるのですが、窓ガラスなんて劣化で割れるんじゃないのか、人が住んでいようがいまいが関係ないような気がします。
窓ガラスが割れることなんてそうそうないじゃないですか。
かあちゃんの店
歩き回り疲れたので、休憩。
この日は暑い暑い。
日差しがあると歩き続けるのにはしんどいです。
というわけで「かあちゃんの店」へ。
島唯一のお食事処。
とても味のあるお店。
壁一面にはここを訪れた人たちのメッセージや絵が描かれています。
お店をきりもりしているのはかわいらしいおばあちゃん。
お店に入ると注文を聞かれましたが、のどの渇きと疲れで食事できるような状態ではなく、ひとまず椅子で休ませていただきました。
その後おばあちゃんは椅子に座って居眠りされていたりもしました(接客とはかくあるべきだと思います)。
立ち上がると腰が曲がっており、それでもお店をやっている元気さパワフルさに脱帽です。
こちらでちゃんぽんをいただきました。
非常においしく、かつボリューミーでした。
すでにいろいろと回れたので1時間以上も滞在してしまいました。
※2024/03/31追記 2023年の3月をもって惜しまれつつ閉店されたそうです。閉店前に訪ねることができてよかったです。
お店の前では猫がお昼寝中。
池島、非常に猫が多くいて、あちらこちらで遭遇します。
港に戻りながら
時刻は13時過ぎ。
14:17の船で帰ろうと思います。
今いるあたりを少しふらふらし、来る時とは違う島の東側の道から港へと向かっていきます。
時間に余裕もあるのでゆっくりと。
ここまでは住宅系の建物を多く見てきましたが、ここからは工場?系の建物を見てきます。
比較的最近まで現役だったためか、割と原型をとどめているものも多く、崩れていく過程を見ているような面白さがあります。
そして港に到着し、これにて池島探索終了。
非常に満足度が高かったです。
島全体を歩いて回れるくらいのサイズ感。
建物の迫力。
島全体がテーマパークのようなそんな印象です。
炭鉱ツアーなるものも企画されているので、機会があれば行ってみたいなと思います。
今回はここまでにします。
次回は長崎市街に移動し、翌日は最終日です。
⑦につづく