毎日賛歌。好きなことについてつらつら書いていきたいと思います。

小笠原旅行記③ 戦跡ツアー

②の続き

①②④⑤⑥はこちらから
小笠原旅行記① 24時間の船旅。小笠原・父島へ。
小笠原旅行記② 島を一周。旭山南峰・コペペ海岸へ
小笠原旅行記④ 高山・中山峠
小笠原旅行記⑤ 山ツアー
小笠原旅行記⑥ 南島・小笠原最終日

2日目

おはようございます。
滞在2日目。
前日の疲れを全身で感じながら、朝食をいただきます。 

本日午前中は戦跡ツアーに参加させていただきます。
半日5000円。
第二次世界大戦中、実際にここ父島が陸上戦に見舞われたわけではないです。
ただ、父島も陸軍の要塞になっており、南に280キロのところには激戦地となった硫黄島がある。そのため多くの軍事施設が作られ、今もその跡が残っています。 

小笠原まで来たらここでしかみれないものをとのことで、
小笠原旅行歴のある方に戦跡ツアーをおすすめされました。
結論。
おすすめして下さった方、ありがとうございます。
大満足のツアーでした。
小笠原にお越しの際はツアー参加されるといいのではないかと思います。
かなり貴重なものがみれます。 

ツアースタート

9:00 
ガイドさんに宿まで車で迎えに来ていただきました。
早速乗り込み、出発。
車中で小笠原に住むことになった経緯など聞かせていただきました。
九州のご出身で、縁あって小笠原に移住。
その後ガイドをされるようになったとのこと。 

「これ、アメリカ人が住んでた家」。
言われてみてみると、みるからにぼろぼろになった洋風の家がありました。
というのも小笠原は戦後、1968年に返還されるまでアメリカの統治下にありました。
そのため、当時のものが残っていたりするそうです。
沖縄返還はよく耳にしますが、小笠原のその類の話ってあまり聞かなかったので、
また1つ島の歴史を垣間見れました。 

森の中へ

車は山道を進み、森への入り口へ。
ここから歩いて案内してもらいます。 

少しばかり歩くといきなり壕の中へ。

懐中電灯をお貸しいただけるのですが、これがないと何も見えない。
真っ暗闇。
懐中電灯の明かりを頼りに進みます。
この壕の所々に当時使われていたものが残されています。

壕をでて、山道を歩いていきます。
結構険しい道です。
ガイドの方御年80とのこと。
山道をスイスイ進んでいきます。
元気だなあ。このツアーが秘訣でしょう。 
自分も健脚だけは維持していきたいです。

大砲①②

しばらくするとこのツアーの大きな見どころ、大砲が現れる。
当時使われていた大砲が未だに残っているのは小笠原くらいなのではないでしょうか。
なかなかお目にかかることはできない。
これだけでも小笠原まできた価値がある。
近くで見るととても錆び付いていて、
戦争から長い時間が経過していることを感じます。 

当時の兵士がここから太平洋を見つめ、
アメリカ軍を向かえ撃とうと構えていたのかと、
この平和にみえる穏やかな水平線からは想像もつかない。 

さて、再び森の中を歩いていきます。
道のところどころに戦争当時のものが放置されていたりします。 

しばらくして本日2つ目の大砲。
先ほどのものよりサイズが大きい。
後ろから外の光に照らされているのが、
より迫力を際立てている。 

戦時中から今までずっとここに佇み、外へと銃口をむけている。
戦争が終わったことを知っているのだろうか。 
戦時中必要不可欠だった武器も、戦がなければただの塊なのだろうか。

次は景色のいいところへと案内してもらいました。 
森の中から少しひらけて、太平洋が一望できます。
眼下には濱江丸もみえています。 

小笠原や沖縄の海ってほかの海とは違った、特別な印象を受けるんですよね。
1つ平和への思いが乗るというか。
かつてこの平和な地平線の先に戦闘機の恐怖を感じていた時代があったと。
今のこの地平線が歴史を物語っている気がして、
より平和への思いが強くなります。

戦時中の方はこの海をみて「きれいだな」と思うことができたのだろうかと考える。 

自分の置かれた状況、精神状態によって物の解釈や見え方は変わってしまいます。
身近なことでいえば、仕事が気になって休みの日も休息を感じられないとか。
急いでいる時に周りの景色なんか頭に入ってこないとか。

すばらしいものをすばらしいと感じられる、
そんな心の余裕を持っていたいと思うとともに、
この先もそうあれることを願っています。 

大砲③

再び森の中へ。 
歩きながらさまざまなものを紹介いただけます。
弾丸の跡が残る木。
陸軍の食器。
会議場跡。 

そしてこの日3つ目、最後の大砲です。 

逆光でいい写真がありませんでした。

こちらでガイドさんからたくさんのお話を伺えました。
個人的な話から戦争についてまで。 

これらの情報や遺物は、
ガイドさんが実際に小笠原で戦争を経験された方にお話を伺い、
山を練り歩いて、
手に入れ、発見したものとのこと。
戦争経験者が少なくなってきている昨今、
こういった方のお話は大変貴重です。 

いろいろと話を伺うと“戦争”や“平和”について考えさせられます。 
第二次世界大戦がどんどん過去のものになっています。
毎年の終戦記念日、昔に比べ、戦争についての番組が減っていると感じるのは気のせいでしょうか。 
太平洋戦争の話を直接聞ける機会も貴重なものとなっている。 
そうした状況下で、これからの日本を決めていかなければいけない。
世界情勢も大変難しい時期に入っています。  
今後、どのような道を日本が歩んでいくのか、 
戦争について・現在の情勢についてしっかりと認識を持ったうえで、
1人1人が考えていく必要があると思います。 

話を戻します。 
森を離れ、再び車に乗り込み、最後の目的地へ。 
こちらの建物は発電所跡。
中に発電機の跡があります。 
壁に英語の落書きがたくさんされています。

ジョージブッシュ元アメリカ大統領(通称パパブッシュ)についてのお話も伺いました。 
パパブッシュは第二時世界大戦中、
ここ小笠原の近くで、乗っていた航空機が撃墜されたそうです。 
後の大統領になるような方も戦争の最前線に駆り出されていたのかと少し意外な印象を受けました。

ツアー終了

発電所跡をもって戦跡ツアーは終了です。 

こんなものが見られてすごいなーというシンプルな感情だけでなく、
平和について深く考えさせられるなど、さまざまな内なる感情が得られました。 

大満足のツアーでした。
小笠原まで来られた際はぜひ参加してください。 

午後は中山峠・高山へ向かいます。

④へ続く
小笠原旅行記④ 高山・中山峠
小笠原旅行記⑤ 山ツアー
小笠原旅行記⑥ 南島・小笠原最終日

興味を持っていただけたら