毎日賛歌。好きなことについてつらつら書いていきたいと思います。

小笠原旅行記⑥ 南島・小笠原最終日

⑤のつづき。 
①②③④⑤はこちらから
小笠原旅行記① 24時間の船旅。小笠原・父島へ。
小笠原旅行記② 島を一周。旭山南峰・コペペ海岸へ
小笠原旅行記③ 戦跡ツアー
小笠原旅行記④ 高山・中山峠
小笠原旅行記⑤ 山ツアー

最終日スタート・南島

いよいよ小笠原最終日。 

名残惜しい。小笠原にいるという現在がもうすぐ過去になってしまう。
でもそんなこと言っててもしょうがない。
本日は南島上陸ツアーに参戦です。 

南島とは二見港から船で15分ほどのところにある無人島。
島全体が天然記念物に指定されています。
1日100人までという上陸の制限がかけられています。
南島っていう名前からもわかるようにザ・南の島。
南国の景色が広がっています。
ちなみに波の影響で上陸できないこともあり、上陸確率70%ほどとのこと。 

出港

8:30港に集合。
10人ほどのツアー参加者。
ガイドさんは昨日の山のツアーと同じ方です。
昨日は参加者が自分1人で、ガイドさんとは結構お話ししました。
なので知ってる人に集団の中で身を隠すように振舞っている自分をみられているようでちょっと恥ずかしい。生きづらいです。はい。 

船に乗り込み南島へスタート。
船の上からウミガメだったり、イルカだったり、クジラを探しながら進みます。
海面に目をこらす。
見つからない。
見つからない。
そうこうしてるうちに、南島が大きく見えてきます。
ここまで非常に穏やかな波だったのですが、
南島周辺ではいくつもの波がぶつかりあうため、大きく船体が揺れます。
想像以上。
自分は何を隠そう絶叫系が苦手。
揺れが怖い怖い。
海に投げ出されないように手すりを強く強く握りしめます。
心中穏やかではありません。
頼むから早く着いてくれよと時間の経過を祈りながら、しばらくして南島到着。 
無事上陸できました。

南島上陸

上陸してすぐこの島から冒険感が漂ってきます。

ゲームの中のような、非現実空間が広がっています。
天然記念物に指定されているため、あちこち自由に動けるわけではなく、決まった道の上を歩いていきます。道を外れると見た目ではわかりづらい穴などがあるため危険でもあるとのこと。
ガイドさんに色々と教えていただきながら一行は進んでいきます。
道中巣穴にいるオナガミズナギドリの雛がみれたりします。

まずは少し小高い、島を見晴らせる場所へ。
扇池がよく見えます。
泳いでいる人もいます。


船で近くまできて泳いで扇池に入ってくるツアーもあるのだそう。

東に目をやると父島も見えます。

いや、しかしこの周辺、別格で海がきれい。
「なるほどボニンブルーってこういう色か」というのがよくわかります。 

扇池

しばらく眺めた後、このツアーのメインとも言える扇池へ。

はい。どーん。
四方が岩に囲まれているので、周りの島の外の景色が入ってこない。
まさに異世界に放り込まれたような気分です。
ユートピア。 

こちらで少しフリータイム。
泳ぐ人は泳ぐと。
水着を準備していないため、足首程度で海を楽しみます。
前日ガイドさんから散々言われたんですけどね、水着で来た方がいいって。
謎の頑固さを発揮し、水着は宿に置いてきました。
それでも十分楽しめます。
フリータイム終了。 

扇池周辺を案内していただきます。
この砂浜にはあちこちにヒロベソカタマイマイの殻と小さな小さなウミガメの死骸が落ちています。

カタツムリは小笠原を世界遺産に登録させた大きな要因とのこと。
独自の生態系。

ウミガメはこの広い砂浜で海にたどり着くことができなかったもの。
月明かりに照らされる砂浜を海面と勘違いしてしまうんだとか。
強いものが生き残る自然の摂理を垣間見ました。

これをもって南島ツアー終了。
船に乗って帰ります。
帰りの船は少し寄り道しながら進みます。
ハートロックに寄ったり、イルカ・クジラのために粘ったり。

残念ながらこの日イルカやクジラを見ることはできませんでした。
また今度。 

小笠原ラスト

父島帰島。
現在11:30。
船は15:00発なので、残りの自由時間は2時間半ほど。
まずはお昼ご飯を頂きます。
お寿司。
この滞在期間中、朝夕は宿、お昼はお弁当や軽食になっていたため、
飲食店を利用する機会がありませんでした。

最初で最後の飲食店はということで寿司屋をチョイスしました。
というのも小笠原では亀肉を食べれるということで、
ガイドさんなどなどから食べてみた方がいいとおすすめされていました。
なので亀肉食べてみました。
くせがなく、馬肉のようなイメージでした。

さて、スーパーで船内用の食料等を調達し、残り時間を楽しみます。
小笠原水産センターへ。
ちょっとした水族館が併設されています。
クラゲが印象的。

これでいよいよ小笠原の滞在が終了する。
この焼き付ける日差しともお別れかと思うと寂しい。
宿に戻り荷物を回収。
宿の方に二見港まで送ってもらいます。

あー、いよいよだなあ。
簡単に来れる場所でない分、離れる時の心の揺らぎも大きくなる。

港は帰る人と島の人でごった返しています。
島の人が多くいる理由は、この後の見送りにあります。
見送りとは、帰りのおがさわら丸出港時、多くの島の方々が集まり、お見送りをしてくれます。
また出港後には小型の船で並走し、乗っている方々が海へダイブしていきます。

おがさわら丸・復路

おがさわら丸乗船開始。
さらば。小笠原よ。また来る。

帰りは特2等寝台です。
テレビがついてます。電波がないのであんまり映らないですが(BSだったら映ったような・・・)。
通路の枝葉の左右に1寝台ずつあります。
2人で行く場合は通路をカーテンでふさぐことで、半個室状態になるのでおすすめです。
自分は端っこの部屋でしたので1人でも半個室にすることができました。
寝台の外に荷物を置くことができたので大変ありがたかったです。

荷物を置いてすぐに甲板へ。
港では多くの方がこちらに向かって声をかけています。

そうこうしていると突然の雨。
さっきまであんなに晴れていたのに。
スコールですね。
浴びたい雨と浴びたくない雨がありますが、スコールは浴びたいです。

いよいよ出港。
島の方々がこちらに向かって「いってらっしゃい」と手を振っています。
「またきてね」とか「さようなら」ではなく。
ただそれが少し自然に思える。
この滞在で旅行客にとって小笠原が1つのふるさととなっています。
それぐらいの居心地の良さや愛着を感じます。
「また帰ってきたい。」そう思える場所です。

出港したおがさわら丸に、いくつもの小型の船が並走していきます。
そしてそこから海に飛び込んでいきます。

こんなにも盛大にお見送りをしていただいて。
ほんとに心が震えました。
鳥肌が立ちました。
ちょっとだけ同じ島にいただけなのに。
もうっ帰っちゃうのに。
見返りなんてないのに。
今まで出会ったことのない価値観をぶつけられて。
とてもきれいなものを目にしたとき、こうやって感動するんだなと。

お見送りも終わり、船は外洋へ。
部屋に戻る。
船が出港したとはいえ、東京着まではまだ約24時間。
まだまだあります。
ベッドの上でごろごろしていると寝てしまいました。
この4日間の疲れがどっときます。
ふと目を覚ましても、特にすることがない。
するとまた寝てしまう。
そんな感じで計17時間寝てしまいました。
幸せですね。
普段だったらこんなに寝てしまったら、もったいないとか思っちゃいますから。
小笠原旅行の満足感とともに。睡眠睡眠。

帰りの船はほとんど寝過ごして、
東京着。
すばらしい旅行でした。
すべてが非日常。
遠く離れた太平洋上にあんなに素敵な島がある。
そこでの思い出とともに、また雑踏の中戦います。

また次回の旅行記で。


興味を持っていただけたら